僕が初めてミッシェルに出会ったのは大学時代、『ゲット・アップ・ルーシー』を聴いたときだった。今でも思うけど、一体何が良かったのか、何が僕の琴線に触れたのかは分からない。でも、とにかく「カッコいい」と思った。そして、同時に思ったのは、「こんな音でも、こんな歌い方でも、メジャーシーンで通用するんだ。こんなやり方もアリなんだ」ということ。もちろん彼らをバカにしているわけではなく、褒め言葉のつもりだ。それはつまり、楽曲の良し悪し(もちろん良いんだけど)をも超越した、唯一無二のスタイルに対しての僕なりの最大級の賛辞なんだと思っている。

……なんて書いてみたけど、う〜ん、彼らの良さをイマイチうまく表現できない。言葉を生業としている人間としてお恥ずかしいことではあるけど、でもきっと、ミッシェルはそんな簡単に語り尽くしちゃいけないもんなんだと思う。でも、あえて一言だけミッシェルに言葉を送るとしたら、“ロックンロール!”……これで十分ですよね?

岡野 良亮/ぴあ編集部